海外販売において海外PL保険に加入する必要はあるのか?

こんにちは、武藤です。

海外向けに日本の製品を輸出販売する際に、
気になるのが製品に関するトラブルです。

トラブルはいろいろ経験しましたが、
珍しいケースが庭のテーブルに商品をおいておいたら
製品が高熱で溶けてしまったケース。

アリゾナ砂漠にお住まいのお客様でしたので、
炎天下に商品を放置すれば、
どんな商品でも溶けてしまう気がします。

やけどなど怪我が無かったのは不幸中の幸いでしたが、
お客様からは交換できないか?と交渉されました。

製品を使用されて思わぬ怪我をされたり、
深刻な障害などを負われてしまうと大変なことになります。

ご存知のように米国などは訴訟社会で、
こうした事故はPL(製造物責任)訴訟のきっかけとなり得ます。

米国ではPL訴訟の件数が5年前に比べ、
年間3万件から6万件に増加しているそうです。

PL訴訟の内訳を見ると自動車やアスベストなどの他に
家電や、日用雑貨、工具、文房具、衣類といった
その他のジャンルでも年間2万件が提訴されています。

こうしたPL訴訟で敗訴した場合の賠償金額は、
平均値で5億円、中央値で1億5千万円となります。

平均値:単純平均
中央値:全データを金額順に並べた中央の値

ただ、これには自動車なども含まれるので
家庭用の消費財に限って見れば中央値は2,800万円となります。

同ジャンルにおける原告の勝訴率は約50%となり、
2分の1の確率で負ける可能性があります。

ちなみにこうした訴訟において矢面に立たされるのが
商品を製造したメーカー様です。

ただし”製造物”責任法とあるように、
責任は製造者のみならず販売者にも及びます。

実際にメーカー様のみならず、
販売業者や、販売仲介会社も被告となるケースがあります。

例えば2011年の10月のマサチューセッツ州のケースでは
家庭用プールの滑り台で起きた死亡事故に対し
20億円の評決が下りました。

この時の被告は、販売会社がトイザらス、
販売仲介がAmazon、メーカーがSLB Toys USAでした。

AmazonとSLB社は和解にいたりましたが、
トイザらスが賠償の責任を負いました。

事業を営む以上こうしたリスクがあるのは必然で、
事業の展開に応じてしっかりと対応していきたいですね。

次回は海外販売業者にもメリットの大きい
海外PL保険の特徴をご紹介したいと思います。

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また案内をさせていただきますね。

About Kenichi Muto

日本製品の海外販売を行う匠の技株式会社 代表取締役社長 個人の海外販売をサポートする組織 海外販売エグゼクティブクラブの講師兼サポートメンバー 2004年 eBayにて日本製品の販売を開始 2011年 米国amazonにて日本製品の販売を開始 世界8ヶ国のamazonやeBay自社ショップを通じ178ヶ国を対象に年間20万件の取引を行う。 法人コンサルティングを通じ国内メーカーの海外販路の開拓もサポートしている。 日本製品の海外販売に関する記事を日々発信中。

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